どん底
4月8日.
一番近い地域最大の癌センターのセカンドオピニオンでした。
父と二人で向かいました。
地元の総合病院では、胃癌か大腸ガンに準じて抗癌剤の投与を行う治療方法を言われていたので、癌センターではどう言われるだろうかとドキドキしていました。
おそらく小腸というからには腸という字がつくので大腸に準じるのだろう、FOLFOXかFOLFIRIかはたまた聞いたこともないような新しい抗癌剤か。。。
予定時間から2時間ほど待ち、小さい部屋に通されました。
まずは病状の説明からしていただきました。
絵を描きながらていねいにせつめいしてくれました。
「小腸癌の腹膜播種で非常に珍しい。。。」
私は色々と調べたりして,一通り聴いてあった内容だったので動揺はありませんでしたが、
父はやはりまだ自分がひどい状況だという実感がないのか、ステージ4と言う先生の言葉にひどく落胆していました。
そして、待ちに待った治療方法についての話が始まりました。
「非常に珍しい癌で、ここの癌センターでも症例数がありません。
おこった症状に関して、腹水を抜くだとか痛みを取り除くだとかの緩和ケアはできますが、治療はできません。」
ん!?治療はできない?大腸や胃がんに準じた抗癌剤もしていただけないのか?と食い下がってはみましたが
結局答えは「No」でした。
父は今にも泣き出しそうな顔をしながら、ありがとうございましたと丁寧にお礼を言い部屋を出ました。
その後、帰り道の一時間は二人とも会話もなく涙を流しながらかえりました。
小腸癌という珍しい癌と腹膜播種という絶望的な状況。
改めてことの重大さを痛感させられました。
小腸癌の原発巣を取り除きやっと食事ができるようになった父を少しでも元気付けようと
美味しいお蕎麦やさんに寄って腹一杯昼食を食べて家へと帰りました。
この時の絶望は今でも忘れられません。