父と会社と長男と

2016年3月。胆石だと言われ手術した結果が、なんと小腸癌腹膜播種。
そんな父と長男の、癌と自営業の会社との戦い。

誕生日

5月13日。


この日は父の61歳の誕生日でした。
また、今年は会社を創立してから50周年という節目です。
ですので、創立50周年記念のパーティーを行いました。


祖父が大腸がんで他界し、父が27歳の時2代目として受け継ぎ34年。
人生の大半を社長として苦しんできた父に何か恩返しができないかと考え
2015年末に、社員と協力会社さん、そして、その家族を招待して食事会をしようと計画しました。


父の病気が発覚し、中止しようかどうか迷いました。
そして、周りの人たちにも父の病気を知らせてないなか、うまくいくか疑問もありました。


しかし、父の功績をたたえたい。
今まで会社を支えていただいた人たちにも恩返しをしたい。
そういう思いから開催しました。


結果、しんどい中父も挨拶をし、会の間の約2時間途中離席をしながらも笑顔で過ごせていました。
また、来ていただけた方も100人を超え、終始みんな笑顔で時間を終えることができました。


小林真央さんのおっしゃってた「癌の陰に隠れる」ではないけど、どうしても家族としては
「そっとしておいてほしい。治療に集中させてあげたい。しんどいことはさせたくない」
と思いがちでした。
けど、みんなと食事して、話して、楽しそうな父を見ると開催に踏み切ってよかったなと思えました。


ポート手術+初腹腔内投与

5月9日。
初の抗癌剤日でした。


治療内容が
①腹腔内投与用ポートの手術
②シスプラチン40mmgとドセタキセル40mmg
でした。


14時からの予定でしたが、父の前に手術が入っていたらしく少し時間が遅れて始まりました。
抗癌剤の予備知識がインターネットとかでばっちり入っていたので、
吐き気がでて動けなくなるのかなとか、下痢が出てトイレばかりいくのかなとか心配ばかりしていました。


処置自体は1時間くらいで終わり、出てきた父は・・・普通でした。
帰りにサービスエリアでどんぶりを普通に食べるくらいの元気さでした。
普段は食事療法して玄米ご飯に野菜食でしたが、この日だけはご褒美ということで。


本人いわく、
「手術中は部分麻酔でポートを入れるために、おなかをぐいぐい押されていたかったけど、抗がん剤については少しおなかが重いくらい。吐き気も何もないよ。」


という事でした。


Y先生に腹腔内投与の方が点滴より、全身に抗がん剤が回らないから副作用は少ないし、直接抗がん剤が癌細胞に接するから効果は高い。
と言われていましたがその通りでした。


次の日から、
①体がだるい
②おなかがチクチク
③むかむかする(吐くまではいかない)
ということを父は言っていましたが、だるさからか、布団で寝ている時間は増えましたが、普通に自宅で生活でき、想像していたよりはいい滑り出しだったのではないのでしょうか。


父はおなかがチクチクするという副作用を、腸閉塞を起こしているのではないかとびくびくはしていましたが、単なる副作用だったみたいです。

抗癌剤前検査

5月2日。


この日は、抗がん剤前の検査日でした。
この日を迎えるに当たり、どうしてもしておかなければならないことが一つありました。
それは、地元総合病院への相談です。


Y先生の治療を受けるに当たり、大阪以外の多くの患者さんが一番気にするのはケアをどうするかだと思います。
他院で治療を受けている患者さん、特に保険適用外のY先生の治療を受けている患者さんは何か起こった時に他の病院では治療を断られ、がん難民になるとかいう話も聞きます。
それに、患者数が多く基本通院での抗がん剤治療を行うため、もし地元に帰って何かあった時手遅れになってもいけない。


そのために、原発巣を取っていただいた地元の総合病院の外科の先生に相談に行きました。


①治療の方針・内容の報告
②何かあった時はどうすればいいか
③Y先生の手紙


以上3点について相談してきました。
父の本当に一番ついていたところは、地元の先生、大阪のY先生をはじめ人に恵まれていたことかもしれません。
快く、「きつい抗がん剤をハイペースで行うのですね。副作用はきついでしょう。何かあった時はすぐに来てください。私宛に訪ねていただければ点滴でも入院でもできるようにしておきます。」と言ってくださいました。
これで不安が一つ消えました。


検査日当日はなんと、「長男がいつもはいけないだろうから、いけない時のために道を覚えておこう」と偶然手術に立ち会って父が癌だと知ってしまった父の友人が同行してくださいました。
本当にいくら頭を下げても足りないくらいこの方には精神的にも助けていただきました。これも父が人に恵まれていたことだと思います。


検査は、血液検査と造影剤のレントゲンでした。
結果は次週ということで今回は早くに終わりました。


TS-1を飲みだして4日目ですが、こちらの方は何の副作用もなく順調に進んでいました。
次のポート手術及びシスプラチン+ドセタキセル腹腔内投与の確認を行って帰りました。